ヴァンのログ

好き好んで書くブログ

バトルロワイアルが流行るわけ

f:id:lemog:20180516194430j:plain

今流行りのPUBG、フォートナイト、荒野行動。どれもバトルロワイアルというスタイルを売りにする、ある意味「新世代」のシューターです。シューティングゲームと言えば、これまで「チーム」で戦い、両陣営の勝利を競うスタイルのマルチプレイゲームが大半を占めていました。しかし時代の変化と共に、そういったシューターの旧態依然なゲームスタイルはどこかの時点でユーザーに飽きられてしまったように思います。コールオブデューティーのようなシューターは、新作を連ねるにつれてゲームの「新鮮さ」が薄れ、毎回同じことの繰り返しというイメージを持たれるまでにマルチプレイが人気を失いつつあります。

シューターとしてのスタイル

 最初はそれでよかったのかもしれません。マルチプレイFPSというジャンルが一般化して人々に定着し出したのはPS3が発売された頃からです。もしPS3Xbox360が無ければ、依然PCゲームの特権のように存在するだけで、今の様にシューターゲームが数多く作られるほどの市場に成長することはなかったのかもしれません。

 オンライン環境というものが出来てから、ゲームは一変しました。他人数が参加して実力を競うゲームはPS2時代にも既にありましたが、より一般的になって遊ばれるようになったのはPS3Xbox360といった次世代ゲーム機の登場からです。単に他人数が参加できるゲームが増えたこと以前に、そういったコンソールに「他人とのコミュニケーション機能」がたくさん盛り込まれた事による恩恵が大部分を占めます。こういったゲーム機やコミュニケーションを生かすゲームが増えたことで、それまでPCゲームだけが有していた、「不特定多数と遊べる環境」が家庭用ゲームでも整いました。これによって今までオフラインだけだったシューティングゲームの魅力が一気に開放され、"画面で動くキャラの向こうに人間がいる"という新たな味が加わります。

 そういったゲームが生まれ、遊ばれるようになってから早10年が経ちます。マルチプレイシューターの何たるかは「定型」となり、形を変えながらも受け継がれています。特に「コールオブデューティー」や「バトルフィールド」のような代表的な他人数対戦型シューターのゲームシステムは、多少なりとも変化しながら遺伝しています。「コールオブデューティー」はスピード感と競技性を重視したシステムが功を奏し、中高生など若年層へのウケが良い対戦シューターゲームへ進化しました。「バトルフィールド」はより大規模な戦闘と他人数での連携を重視したシステムを確立し、戦争ゲームと言えばバトルフィールドと言わしめんばかりの地位を確固たるものにしました。

 長い年月をかけ、アップデートと新作発売を続けていく中で、それらのゲームのシステムは磨かれ、より良いものへなっていったのは事実です。ですから作品を望むファンは増え続け、「コールオブデューティー」「バトルフィールド」という「ブランド」としての価値も増えていきました。しかし同時に、マルチプレイシューティングゲームの弱点は刻々と露呈し錆び付いていきました。

"飽き"

 どんなゲームも飽きます。そしてその「飽き」という病は、ゲームひとつをとって言えるものではなくなったように思います。ある種「ジャンル」という部分にまで広がりを見せているように僕は感じるのです。流行りが過ぎたゲームのような飽きの波ではなく、ゆっくりゆっくり進む潮の流れの様に、雨にさらされた鉄が錆びるように、それは突然ではなく、徐々に現れます。これまではそういった飽きの傾向が見られる頃に、新作ゲームを発売すれば済む話でした。一新されたビジュアルや舞台となる時代、登場する武器等のオブジェクト。基本となるシステムを受け継いでも、そういったリソースが代わり映えし続ければ人々は飽きないでいられます。というよりは、"飽きにくく"いられますよね?

 しかし長年同じシリーズのゲームをやっていると、何かが違うような感覚に囚われることがあります。ビジュアルであったり、システムであったり、武器の種類かもしれませんが、とにかくうんざりしてくるのです。そしてふと考えます。自分がずっと同じことを繰り返しているだけなんだ。ビジュアルや舞台が違うだけで、していることは同じなんだ、というような感じで。敵を倒し、スコアを競う。それだけが目的になってきた頃、そのゲームをやり続ける理由を失います。そのゲームをやめる理由を得る、といった方が近いかもしれません。

オールドスタイルとニュースタイル

 バトルロワイヤルというシューターが流行るのは、バトルロワイヤルが面白いからじゃなくて、今までのマルチプレイシューターのスタイルに皆飽きてるからじゃないだろうか?と考えました。だからこそ、バトルロワイヤルなんてクソだ!というプレイヤーが一定数いるんじゃないでしょうか?つまり、"昔ながら"の対戦スタイルである「チームでのマルチプレイ」が放棄されていく流れに逆らっている人々が「アンチバトルロワイヤル」になっているのかな、と思いました。